ドイツのスタメンは、
1 マルク・アンドレ・テアシュテーゲン、6 ヨシュア・キミッヒ、15 ニクラス・ズーレ、2 アントニオ・リュディガー、5 ニコ・シュロッターベック、23 エムレ・ジャン、21 イルカイ・ギュンドアン、19 リロイ・サネ、9 フロリアン・ヴィルツ、10 セルジュ・ニャブリ、7 カイ・ハフェルツの4-2-3-1。
日本のスタメンは、
12 大迫敬介、2 菅原由勢、4 板倉滉、16 冨安健洋、21 伊藤洋輝、6 遠藤航、5 守田英正、14 伊東純也、8 鎌田大地、7 三笘薫、9 上田綺世の4-2-3-1。
日本快勝立ち上がり、日本が前線からプレスをかけていくが、ドイツもそれをかわして攻撃に転じると、3分には、高い位置でFKを得る、これを若干角度は悪い位置ではあったが、19番サネが左足で直接狙うも壁に当たる。しかし、その後の攻撃を日本はGKへバックパスから大迫敬が出したボールを奪われて、危ないシーンとなるなど、ドイツの前線からのプレスで、日本はなかなか前にボールを運べず、ドイツペースとなる。
ドイツの攻勢をしのいで、日本も再び前からプレスを仕掛けていくと、右サイドで上がっていった菅原由が一瞬の加速でDFを縦に抜くと素早くクロス、ニアサイドでDFの死角から前に入り込んだ伊東純が触ってゴール、日本が11分先制。
日本が先制して優勢に試合を進められるかと思ったが、ドイツも、慌てず、攻勢に出て、日本も冷静に守っていたものの、19分、中央で9番ヴィルツがボールを受けて基点となると、DFが中で崩れた隙をつくように右サイドで19番サネがDFの裏に抜け出した所にスルーパスが通りゴール、ドイツが同点に追いつく。
両チームともテンポが早くなっていくと、左サイドから冨安健が逆サイドへ展開、それを伊東純が上手くトラップして、スペースを確保すると、中に行くと見せておいて、DFを引き付けて外に開き、オーバーラップしてきた菅原由がクロス、これはDFの死角から出てくる形になったが、中央で上田綺がギリギリで左足で合わせると、GKの逆を突く形でゴール、日本が22分再び勝ち越す。
両チームとも攻守の切り替えが早く、サイドからの攻めでチャンスをお互いに作り出し、41分には、最終ラインでのパス回しでのミスを見逃さず上田綺が出足鋭くボールを奪うと、一気にGKと1対1を作るも、少しボールコントロールをミスしてGKに止められる。
お互いに決定機があり、どちらが次のゴールを奪うかという展開のまま前半終了、日本が1点リードで試合を折り返す。
後半に入っても日本のリズムは良く、立ち上がり立て続けに決定的なシーンを作るが、惜しくもゴールならず。
ただ、徐々にドイツの攻勢の前に日本は前に出れず、伊藤洋を中に入れて3バックにするが、全体が下がってしまって、5バックとなり耐える展開になる。
58分、日本は上田綺に代えて浅野拓、鎌田大に代えて谷口彰を投入する。谷口彰を3バックの中央に入れて、伊藤洋が左WBとして、三苫薫と伊東純を前に上げる。
ドイツの猛攻に対して、日本は耐え続けてカウンターは狙うも試合の流れは完全にドイツペース。
何とかリズムを変えたい日本は、伊東純に代えて久保建、守田英に代えて田中碧を投入する。
日本は耐える展開が続くが、ドイツも点が取れず、また、日本ががっちりとゴール前を固めており、決定的なシーンが作れずドイツにも焦りが出てきている。
84分、菅原由と変えて橋岡大、三苫薫と変わって堂安律が投入される。
ドイツが攻勢を仕掛けていた中で、90分、耐え続けた日本が高い位置で久保建が鋭いプレスでボールを奪うと、ドイツ陣内を独走、横を上がってきた浅野拓とGKとの2対1を作り出すと、きっちりと引き付けておいて、浅野拓に出してゴール、日本が3点目を奪う。
更に、アディショナルタイム、右サイドでボールを受けた久保建がDFをかわしてフワッとしたクロスを入れると、中央で田中碧が頭で合わせて、これがGKの手が届かない左隅にきっちりと決めて、日本が4点目を奪う。
ドイツの心も折ったか、そのまま試合を締めて、日本が4-1で勝利。
互角以上の前半と耐え抜いた後半カタールWCでの試合と比較しても、日本は非常に良い流れを作って、ドイツ相手に互角以上の戦いが出来た。
正直言えば、ドイツのプレーに関して、確かに日本の前線からのプレスが良かった面もあったものの、ドイツの最終ラインのボール回しで問題が多く、どちらかというと、精度が低くてミスを頻発、結果として、日本がそれをついてチャンスを作れるシーンも多かった。
正直言えば、ドイツのサッカーの質の面でいえば、攻撃は悪くないというか、流石の面もあったものの、守備においては、質が悪くて、どちらかというと、アジアレベルの方が良い守備をしていたように思える。
ま、それはそれとして、サッカーの内容自体は、カタールWCの時よりも力の差は詰まっていた、互角と言っても良い内容だったと思える。
但し、後半、ドイツが1点差を追う事で攻めてくるのはあったが、何を思ったが前半の良い流れを作っていた形を崩して、3-4-2-1にした結果、両サイドが下がってしまって、5-4-1となり、結果、前半は連動して上手く前線からはまっていたプレスが掛からず、押し込まれる展開となり、前半はしっかりとケア出来ていたサイドが中に入ったことで、結果、サイドが下がらざるを得なくなった。
森保監督がどう考えたのかは分からないが、後半悪い流れを作ったのは、その采配の所為か。
ただ、カタールWCでも証明していたが、日本が本気で守れば、ドイツの攻撃でも跳ね返すことは可能だったという事だろう。
アタッカー陣の序列争いこれまでも右サイドの序列という意味で、伊東純が優先だったような気がするが、この試合の彼のプレーは、本当に好調を維持というか、これまでのスピードを活かした個人プレーから一歩進んで、視野の広さが出てきたように思える。
この試合でも、中に入ってボールを納めてから、うまくボールを回して得点を演出するなど、成長を感じさせた。
特に、右SBの菅原由とのコンビが機能するようになって、攻撃でも守備でも、二人で上手く連動して形を作っている。
その意味で、右WGの1番手と言えるかと思えた。ただ、途中交代で入った久保建が、時間こそ短かったものの、2点をアシスト。
それも、2点とも、クラブでの好調を持ち込むかのような、出足の早さと判断の良さを見せており、日本の3点目のシーンは、正直、自分で決めることも出来ただろう。
彼を右で起用するか左で起用するかという点はあるだろうが、しかし、伊東純と久保建を両立させられないのは、森保監督としてはうれしい悩みだろう。
ただ、それに対して左サイドに関して言えば、三苫薫は確かに素晴らしいプレーができるし、個人としての存在感はあるだろう。
相手も警戒していて、それ自体は大きい存在ではあるが、しかし、守田英や伊藤洋とはうまく連動できず、鎌田大や上田綺はどちらかというと彼を邪魔しないようなスペースを作る動きをするケースが多かった所為もあるだろうが、孤立してしまって、機能したとは言えない。
ここは、日本の武器になるだろうポイントだけに、彼をどう活かすか、もう少しチームとしての意思の共有化とか、決め事のようなものとかを作らないと宝の持ち腐れになる。また、ここに関しては選手間だけで解決するのではなく、チームとしてどう考えるかという点になるのだろうが、既に代表監督になって5年になる森保監督が出来ていない点だけに、監督が出来ないなら、別の誰かが攻撃をデザインできるコーチなりを入れる必要があるのではないだろうか?
総じて、この試合は、選手は頑張ったがベンチが足を引っ張っているなという感じですね。
個人的な個人評
12 大迫敬介 6.0 危ないシーンもあったが冷静に対処していたし、勇気を持ったプレーが出来ていた。
2 菅原由勢 6.5 伊東純との関係性は攻守両面で出来上がっていて、攻撃でも守備でも良かった。
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19 橋岡大樹 -- 評価できず
4 板倉滉 6.0 ドイツ相手に1対1で競り勝てた事で、中央に関してはがっちりと跳ね返すことが出来た。
16 冨安健洋 6.0 失点シーンはちょっと隙を作ってしまったが、以降はきっちりと中央に壁となってドイツ攻撃を跳ね返した。
21 伊藤洋輝 5.5 守備面では決して悪くなく、ドイツのサイド攻撃に対処していたが、攻撃参加が出来ず。
6 遠藤航 6.5 彼がいると中央が安定する。守備ではCBの前でブロックを作り、攻撃でも押し上げて厚みを作る。
5 守田英正 6.0 中央でバランスを取りながら、後半の流れが悪い所でも、中央からのドイツの攻めを止める。
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17 田中碧 5.5 得点のヘディングは見た目より難しい。ただ、それ以外ではどちらかというと守備に吸収されて持ち味が出ず。
14 伊東純也 7.5 本日のMOM。右サイドで基点となり、仕掛けを行い、点を取り、守備にも貢献、圧倒的な存在感を見せた。
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20 久保建英 7.0 短時間ながらも存在感を見せて、2つのプレーで2点をアシスト。
8 鎌田大地 6.0 前線で冷静にボールを納めてタメを作れていた。
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3 谷口彰悟 6.0 3バックで流れが悪くなる中で、投入されて少し安定させた。
7 三笘薫 6.0 個人としての存在感、プレーの質は悪くないが、他との連動が無く、ほぼ孤立したプレーとなった。
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10 堂安律 -- 評価できず
9 上田綺世 6.5 前線で体を張って基点となり、守備でも頑張った上で点も決めた。
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18 浅野拓磨 5.5 得点は久保建からのプレゼントだが、そこに攻め上がれるのは流石。ただ、前線でのプレスはなかなか一人ではどうしようもなく機能せず。
森保一 3.0 試合の入り方は良かったが、5バックにして無駄に流れを失う。選手に助けられただけで、ベンチワークは足を引っ張るだけ。
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